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安藤和夫工房

 安藤和夫氏略歴
1952年 小田原生まれ。小学校で横浜市に移る。
高校卒業後、東京・神田の美学校にて彫刻を学び、その後横浜元町のクラシック家具の老舗「竹中」などで家具職人としての修行を積む。
1985年 独立し横浜に工房開設。
1995年 小田原に新工房開設。
2003年〜 横浜美術館 市民のアトリエ講師

 工房全景
3年ぐらい前にもらい火にあい工房を焼失したそうです。道路を挟んだ反対側に工房が有ったそうですが今は更地になっていました。現在は蔵に下屋を付き足して、そこを作業場とをしていました。下屋部分の作業場はやや狭いスペースのようですが、逗子やお仏壇のご注文を手掛ける氏にとってはちょうど良いスペースの様でした。

安藤和夫工房

 中心の蔵部分はギャラリーに使えそうな素敵なスペースでした。この蔵の中では余り作業は行っていないようです。

 「来歴の確かな木材を用いること」を身上としている氏にとって材木選びは重要な要素であり、材料は信頼のおける小田原の材木屋から仕入れているそうです。

 当日は多くの木工会会員が伺ったにも関わらず、快く迎えて頂きありがとうございました。

安藤和夫工房
安藤和夫工房  こちらは雑誌などでも良く見かける足置きの付いたスツール。

 

作り手に聞く39の質問
01,会社名、工房名を教えて下さい。
「創作家具 安藤 という名前でやってきました。」
02,代表者のお名前を教えて下さい。
「安藤和夫です。」
「小田原市生まれ、横浜育ちです。」
静岡県
04,何でこの道に入りましたか?
「社会と切り結ぶための技の獲得。」
05,今の地に工房を構えた理由は?
「富士山が望め、海山川があり、魚が美味く、温暖で明るく、東京へも近い。」
06,木工の履歴を教えて下さい。
「美学校彫刻工房にて鑿かんなは一通りマスター:4年在学。
横浜の木工所で家具修行:通算6年。
藤沢の甘粕憲正工房で木工を手伝いがてら漆を学ぶ:1年。
独立して現在に至る。
家具の修行に入ってからトータルで32年くらい。」
07,差し支えなければ木工に携わる以前の職歴を教えて下さい。
「すし屋などの飲食業多数・沖なか士・土方・産廃ダンプなどの運転手・夜のお仕事、などなど無数。」
08,差し支えなければ最終学歴を教えて下さい。
「普通高校」
09,どこかの団体に所属していますか?
「さがみ工芸会・騎虎の会」
10,コンペなどの入選暦を教えて下さい。
「無し。」
11,よく使う樹種を教えて下さい。
「くり・くるみ・なら・神代木・クス、など。」
12,なんでその樹種を使いますか?
「好きだから?。」
13,得意とする作品は何ですか?

「厨子・箱物・棚物。」

14,木材以外で使用する素材はありますか?
「石・真鍮・銀・箔・貝。」
15,よく使う電動工具はどれですか?
「トリマー。」
16,よく使う手道具はどれですか?
「かんな。」
17,持っている資格を教えて下さい。
「無し。」
18,これから身に付けたい技術はありますか?
「CAD。」
19,貴方の作品はどこで購入できますか?
「注文制作できましたので、委託先は現在ありません。」
20,家具以外での副収入、仕事があれば教えて下さい。
「横浜美術館講師。(不定期」」
21,製図は手描きですか、CADですか?
「手描き。」
22,導入したい機械、工具、設備、技術等はありますか?
「ベルトサンダー幅広・自動かんな盤幅広。」
23,肩書きはなんと呼ばれるのが似合っていますか?
「職人でもあり、作家でもあるので困っています、アルチザンかな?」
24,他人には負けないと思う技術があれば教えて下さい。
「無し。」
25仕事は何時から何時までですか?休みは?
「10:00〜夜中まで。休みはありません。」
26,この仕事をしてて嬉しかった事をお聞かせ下さい。
「家具を通して直接人に会えることでしょうか。」
27,この仕事をしてて辛かった事をお聞かせ下さい。
「経済の不安定、困窮」
28,今までに仕事上の大きな怪我はありますか?
「無し」
29,自分で作った物を使っていますか。それは何ですか?
「テーブル」
30,身内はあなたの作る作品をどう評価していますか?
「良いんじゃない!」
31,物づくりに関し、影響を受けた人、尊敬する人を教えて下さい。
「クレノフさん、ハンスウェグナーさん、ジョージナカシマさん」
32,あなた自身のお気に入りの作品があれば教えてください。いくつでもかまいません。
「厨子・ライティングデスク・文机」
33,子供には後を継がせたいですか、もしくは継いでいますか?
「いいえ、本人の希望が他にありますので。」
34,趣味は何ですか?
「ありません」
35,好きな食べ物は何ですか?
「肝系・発酵系」
36,年収一千万の公務委員と今の仕事が選べます。どちらを選びますか?
「もちろん現状です」
37,今の仕事を続けると人間国宝です。ですが、それを破棄すると当選宝くじ3億円ゲットです。どちらを選びますか?
「3億円あれば今の仕事を思いっきり展開できますね。」
38,この仕事を選んで幸せですか?
「はい。」
39,ご苦労さまでした。最後に、あなたの夢をお聞かせて下さい。
「世界平和に尽きます。」
工房探訪人 蛭川昭雄 2007年9月28日(金)

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