手作り家具の製作と販売

■遺品を組み込んだお仏壇のお話 その参■

玉杢

さて、支給された材は玉杢と縮れ杢の組み合わさった銘木です。無塗装の時点でもキラキラと輝いています。上手く加工してやらないと玉の部分が飛んで欠けてしまいます。実際に届いた材は玉の部分が飛んでいます。これをいかに綺麗に仕上げるかが腕の見せ所です。昭和55年の新聞に?包まれていたので乾燥は十分です。

玉杢の仏壇

金仏壇とは違い、自然素材の輝きは恐ろしいほどに荘厳です。
一番きれいな玉杢は裏板の両サイド、脇侍が収まる背後にしつらえ、ご本尊の光背後ろの組子も初めからそこにあったかの様に綺麗に収まりました。小さな箱の中が違う世界と繋がっている、そんな錯覚さえしてしまう風格のあるお仏壇に仕上がりました。小さなお仏壇ですが、須弥壇下に小物入れ、抽斗上部にスライド棚など機能は多彩です。詳しくは作品欄をご覧ください。

昔は、仏壇と言えば仏壇屋に買いに行くのが当たり前でした。仏壇の産地は全国に有りますし、私の住む長野や隣接の新潟だけでも飯山仏壇を始め長岡仏壇・高岡仏壇・三条仏壇・小千谷仏壇など産地はたくさんあります。

しかし生活スタイルも変わり、お仏壇もネットで買える世の中になりました。生活スタイルの変化で、私の様な木工家が作る創作仏壇や注文仏壇、リビングに合うインテリア仏壇など、この業界も多岐にわたり変貌しています。しかし変わらないのは「祈る」という人の心です。少しでも祈りの手助けになれば私のしている仕事も意味の有る事かと・・・・・・・。

さて、次の「意味のある仕事」に取り掛かりますかね・・・・・・・・・・・・。

2021/2/22