手作り家具の製作と販売

■欅の囲炉裏テーブルをオーダーで作るお話 その壱■

これまでにも囲炉裏テーブルは多数製作して来ましたが、この所、問合せが増えて来ました。キャンプブームだからでしょうか?4月からの2ヵ月で4件の問い合わせがあり、2件のご注文を頂きました。今回はその内の1件、欅で作った囲炉裏テーブルのお話です。
 

囲炉裏テーブルは福島県のお客様からのご注文です。福島県は何度も出かけた事のある好きな県です。直近では2019年に大内宿に行った思い出があります。茅葺の宿場町が当時のまま並ぶ素敵な土地でした。

その他にも磐梯熱海温泉や東山温泉、猪苗代湖でのキャンプ。仕事がらみでも喜多方や会津若松などに漆器や木地を求めて出かけています。

福島県民は良い物を長く大事に使う県民だと感じています。大内宿に行った道すがらも感じた事ですが、景観にそぐわない建築物はあまり無い様に見受けられました。喜多方や会津地域もそうですが物を修繕しながら大事に使う文化が残っています。SDGsエスディージーズ(持続可能な社会)なる言葉が聞かれる昨今ですが、田舎の人は普通に実践してるのです。それにしても最近は理解できない横文字がやたら多すぎます。

 

今回のご注文はそんな県民性の表れでしょうか?素材は欅で、天板の厚みは最低でも6cmは欲しいとのリクエストでした。

欅材と言うのは市場の中でも特殊です。木材は概ね33mm36mm40mm45mmなどに厚みを決めて製材し、天然乾燥から人工乾燥を経て材木商が販売し、それを我々木工家が使います。しかし欅に関しては左上の画像の様に尺弐寸角(360角)の大黒柱にするような角材や、長さ3m超、幅1m超の一枚板という形で売られており薄く挽いた材はほぼありません。

今回は大黒柱になる尺弐寸角の柱を68mmの厚みにに挽いてこれを天板に使います。

 

先ずは68mm厚の天板の木取りです。原寸べニアをあてがい不良な箇所が入らない様に木取ります。

・・少し大きく木取ります。

・・・ハッキリ言って重いです。

・・・・気合いが必要です。

・・・・・お仕事ですから嫌だなんて言ってられません(笑)

・・・・・夢の中でも仕口や収まりなど考えています。

 

少し大きめに木取ぅた欅を天日乾燥します。
この作業が一番大事です。

乾燥が悪いと留めに接いだ部分が切れて来る事があります。特に内側が空いてくる性質があります。モイスチャーメーターで計測して完璧に乾燥したと思っても接ぎ切れる事もあります。「だって木ですもの」。

だから一皮むいて1ヵ月程ほっておきます。

木工の世界では時間をかけて寝かせる事は大事です。

では又弐話でお会いしましょう。

 
壱話 弐話 参話
2021/06/01………………続く