今回は箪笥の顔とも言える「建具」と「ひきだし」のお話です。素人の方は 通常「ひきだし」って「引出し」の漢字をイメージしますよね、でも家具の世界では「抽斗」、この字を使います。私も最初 兄弟子の図面に書いてあるこの字を読めずにいた事を今でも覚えています。 さて建具ですが精度の求められる部品です。建具には必ず「四方柾」を使います。これは4話でもお話した柾目が4面に現れている部材のとり方です。何十年使っても狂いのないような配慮からです。 |
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加工にも気を使います、せっかくまっすぐな良材を使用しても、加工がいい加減だと組んだときにねじれを起こします。ねじれていると溝にあたりスムースな開け閉めが出来ず致命的な結果になります。慎重に加工し、組み立てていきます。 |
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あと建具にはチョットばかり工夫があります。右の写真をみてお解かりの様に敷居のレールから浮いているのがお解かりだと思います。古典的な手法で溝を滑らせるやり方だと、50年後には溝の境が無くなっているかも知れません。昔の茶箪笥や桐箪笥には 溝の境が無くなってる物は多く見受けられます。そりゃー毎日 木と木を何十回も擦り合わせているんですから当たり前です。
そんなトラブルを解消する為、裏にjは戸車が付いています。金具メーカには色んなタイプの戸車がありますが、金属のレールを使う物や下に隙間が出来てしまう物など、古典的な手法に使用するにはどれもいまいちでしたが、とあるメーカーの戸車を現在の様に使用できる事に気ずき、現在に至ってます。 この手法は私が所属している「信州木工会」のメンバーにも普及していて、多くの人が取り入れています。戸車や加工については大したことじゃないんですが、企業秘密ということで。<m(__)m> |
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抽斗もそうです。大きな抽斗や重い物をたくさん入れる抽斗にはスライドレールを使います。今回の水屋サイズの抽斗はスライドレールは使いませんが、この抽斗にも企業秘密があります。企業秘密だから教えられませんが、擦れる箇所は擦れない工夫をしてるという事です。それもなるべくそんな工夫を見せず、さりげなく・・・・・。 【つぶやき】 04/8/17・・・・つづく |
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